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ホーム建築コラム土地探し南垂れ、北垂れとは?

建築コラム2024.11.08

南垂れ、北垂れとは?

南垂れ、北垂れとは

不動産屋さんから「南垂れの土地ですよ」と説明されたことはありますか?垂れる、という漢字から、なにかがぶら下がっている感がありますが、そうではありません。実は不動産業界では「すごくいい土地」という意味で使うことが多いようです。南垂れが高く評価される理由、住宅を建てる上で注意すべきポイントなどをご紹介します。

南垂れの土地とは

南垂れの土地とは、北から南に向かって下がっている土地のことです。「南下がりの土地」とも使われます。一般的には傾斜地であることが多いですが、平坦地でも南側が擁壁などで一段低くなっている場合は「南垂れの土地」という方もいらっしゃいます。

「南垂れの土地」のメリット

傾斜地に建つ家

日当たりがいい

「南垂れの土地」のメリットは、なんといっても日当たりのよさにあります。南側が自分の宅地よりも低くなるため、前に住宅が建っていても、日照が保たれる可能性があります。近年のエネルギー価格高騰から太陽光発電を検討している方なら、日照が保たれることのメリットは大きいのではないでしょうか。また、一般的には住宅に向く土地は、南向きの日当たりがいい土地といわれています。不動産屋さんの中には「南垂れの土地」を「平坦地」よりもいい土地としてお勧めする方もいらっしゃいます。また、丘陵地から大きな造成地を作る場合、日照りの良さをアピールするため、南垂れの土地を多く作るケースもあります。

眺望がいい

急傾斜の場合は、南側に建つ家が自分の家より一階分程度低くなるので、二階からの眺望はいいものが期待できるでしょう。窓からみえる景色が遠くまで見通せるというのは、思いのほか開放的で気持ちがいいですよ。

「北垂れの土地」とは

南垂れがあれば北垂れもあります。北垂れは南から北に向かって下がっている土地のことをいいます。北方向が開けているのですが、日当たりを大事にする日本の住宅市場では、南より価値は低いものとされています。

ただ、大きく開けている場合は、眺望が大きくとれ、南垂れと違って強い直射日光も入らないため、カーテンレスで窓からの風景を楽しむことも可能です。

大高A棟_眺め

「北垂れの土地」のメリット

意外と明るい

北側の窓

北側は太陽の光が直接入らないため暗い、と思われる方は多いかもしれません。実は、明るさを得るには窓から太陽の日射が必要というわけではありません。条件によっては北窓は明るい窓になります。周囲の建物が接近しておらず、青空や太陽の光で照らされ明るいのであれば、窓からその明るさがもたらされるからです。上の写真は右側の北向きの窓です。窓に映る青空が日中の明るさを室内に届けてくれます。

もし北垂れの土地で周辺環境が開けていてプライバシーが保たれるのであれば、思い切って大きな窓をとってみるといいでしょう。窓からのほどよい明るさで居心地のいい空間を作ることができます。

景色が綺麗に見える

御嶽山

北側の窓から外を眺めると逆光にならないため、太陽の光に照らされた景色を楽しむことができます。もし、北側に緑が広がっている場合、日中は緑が光を浴びて、より鮮やかにみえるでしょう。ピクチャウィンドウとなるような景色が北側にあるなら、ぜひ大き目の窓を設置するのがお勧めです。

価格が比較的安い

不動産市場では、土地に傾斜がある北垂れの土地は比較的人気がありません。ただ、もし気持ちがいい風景が望めることができ、周りの家や道路から窓をのぞき込まれることがない環境であれば、眺望を楽しむ家を設計できる可能性があります。眺望のいい北垂れの土地は、お買い得かもしれませんね。

「南垂れ」「北垂れ」のデメリット

南垂れ、北垂れともに傾斜がありますので、建物や駐車場になる場所には平面を作り出す必要があります。となると、土を留めるための擁壁や基礎工事が平坦地より大掛かりになるため高額になるのがデメリットです。また、高低差が2メートル以上あると、いわゆる「がけ条例」の対象になります。この条例の対象になると、敷地内で建築物を建てることが可能になる場所が変わる可能性がありますので、設計士にご相談ください。

いかがでしたでしょうか。オームラ設計一級建築士事務所では名古屋市緑区の丘陵地で多く建築実績があり、急傾斜に対応した実績もあります。その土地にデメリット以上のメリットが生み出せるか、一緒に考えていきましょう。