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ホーム建築コラム家を建てるなら押さえたい!容積率(ようせきりつ)とは

建築コラム2024.07.11

家を建てるなら押さえたい!容積率(ようせきりつ)とは

容積率

容積率(ようせきりつ)。この言葉も先の建蔽率(けんぺいりつ)と並んで不動産の土地売買情報に必ず記載されてる、建物を建築するにあたり守らなければならない割合です。設計士はお客様のご希望を叶えるのと同時に、建築法規に沿った建物を設計しなければならないため必ず確認する項目ですが、これから注文住宅を建てる方も、建蔽率や容積率の意味が分かると、その土地に建つ建物のイメージがつかみやすくなります。今回は容積率(ようせきりつ)を簡単に説明させていただきますね。

容積率(ようせきりつ)とは

容積率とは、建築物の延べ面積(のべゆかめんせき:建築物の各階の床面積の合計)の敷地面積に対する割合のことで、「どれくらい大きな建物を建てることができるか」という制限になります。。先に挙げた建蔽率は、単純にいうと一階の面積なので、イメージとしては平べったいものですが、容積率は建物の大きさ、縦に伸びるイメージです。

計算方法は、容積率(パーセント)=延べ面積÷敷地面積×100です。延床面積は、各階の床面積の合計値なので、建物全体の大きさを敷地面積で割った割合、ということになります。

コラム容積率

例えば、容積率200%の地域に建物を建てる場合、敷地面積100m²なら、延べ床面積200m²までの建物を建てることができます。敷地に対して目いっぱい建てていいのなら、1階100m²、2F100m²の総二階の建物が建築可能です。

次は住宅地、名古屋市緑区で実際よくみかける土地条件にしましょう。40坪の土地で、建蔽率40%、容積率80%だった場合どのような家が建つでしょうか。1階を建蔽率で許される最大の16坪(40坪×40%)とったとしましょう。総2階建ては延床面積が16坪×2=26坪となり、容積率は最大32坪(40坪×80%)より小さいため建てることが可能です。ただ、総3階建てになると延床16坪×3=48坪となり、容積率の規定を大きく超えるため建てることができません。「総3階建てを建てたい!」と思っていた方にはショックな結果ですよね。大きい建物を建てたい方は事前に容積率を確認した方がいいでしょう。

※例にあげた建蔽率40%、容積率80%の制限がかかる地域は、建物に対する高さ制限が設定されることが多く、3階建てを建てることが難しいです。

容積率の調べ方

容積率は建蔽率と同様に都市計画上定められたものです。都市計画は、各自治体がインターネットに公開している場合がほとんどです。名古屋市の場合、「名古屋市都市情報提供サービス」で調べることが可能です。サイトにアクセスし、都市計画情報等のマップをクリックして、住所を入力後、調べたい土地の場所をクリックするだけでその土地に指定された都市計画の詳細や制限を知ることができます。

名古屋市都市計画マップ容積率

上の図は名古屋市緑区の地下鉄徳重駅付近、ユメリアにある緑区役所徳重支所を中心にしたものです。主要道路から少し離れると、第一種低層住居専用地域である緑色が多いことが分かります。

容積率の調べ方

第一種低層住居専用地域は名古屋市緑区、天白区といった名古屋市東部で広く指定されている用途地域ですが、建蔽率と容積率の組み合わせは以下の表のように7種類もあります。このマップでいくつか地点を調べてみると、少し場所が変わるだけで制限が変わることが分かります。

用 途 地 域 建蔽率(%) 容積率(%)
第一種低層住居専用地域 30 50
100
40 60
80
100
50 100
150

 

建蔽率と容積率がともに小さい場合(表でいうと、建蔽率30%、容積率50%の地域)は、ゆったりと建物が立ち並ぶ落ち着いた住宅街ではありますが、建てる土地がある程度以上の大きさでないと必要な間取りが取れない場合があるので注意が必要です。

容積率の意味

容積率で建物を制限する理由は、建蔽率と同じく、日照や通風、採光、防災のためです。加えて、容積率で建物の大きさを制限することによって、流入する人数をコントロールという目的もあります。ビルのような大きな建物が建つと、それだけ多くの人間が建物の中で活動するため、電気や水道などのインフラが十分に整っていないと機能することができません。街の活動を維持するために、都市計画であらかじめ適切に区分分けをしているんですね。

容積率のまとめ

前回の建蔽率と今回の容積率が分かれば、建物の大きさのイメージをつかむことが可能です。ただ、建蔽率、容積率以外にも建築に関する規制はたくさんあるため、土地を購入する際には、必ず購入前に設計士にプランニングしてもらいましょう。

オームラ設計一級建築士事務所では、今回の例にあげた「土地がコンパクトかつ建蔽率・容積率が厳しい土地」といった狭小地での建築例もあります。狭小地が気になる方はぜひお問い合わせください。