建築コラム2024.04.01
駐車だけじゃない!道路幅の大事なポイント
土地の販売広告に「道路」または「前面道路」という項目があります。敷地に対して、道路がどの方向に接しているか、その道路の幅は何メートルかを表示するものです。この道路幅が狭いと、車での通行に不安を感じる方は多いかもしれませんが、この道路幅によっては、建物が建てられないことはご存じでしょうか。今回は、意外と知られていない道路幅についてのコラムです。
住宅を建てる上で最低限必要な道路幅
敷地に建物を建築する場合、道路の幅員(幅)が4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければいけません。これを「接道義務」といいます。住宅用地として販売されている土地は、この接道義務の要件を踏まえて販売されているので、不動産広告や土地の重要事項の告知では、敷地のどの方角に幅何メートルの道路が接しているのかが記載されています。4m以上の道路が接しているケースが多いはずですが、4m以下であっても、住宅を建てる場合は建築が許可されることがあります(第43条第2項各号)。ただし、建てる住宅にも制限が加わりますので、接している道路の幅が4m以下である場合は、設計士に詳しく調べてもらったほうが安心です。
必要な道路幅がない場合
道路幅によって建築許可される見込みがない土地の場合、不動産広告では、土地だけの場合は「建築不可」、中古住宅が建っている場合は「再建築不可」と表示することが義務付けられています。「再建築不可」の場合、家を解体して新築することはできませんが、リフォームして住むことは可能(ただし調査が必要)なので、東京など非常に不動産価格が高騰している地域で一戸建てを希望する方にとっては掘り出し物になるのかもしれません。
必要な道路幅がなければ、道路幅を広げるという方法もありますが、道路の所有者が誰なのか、道路沿いの土地を道路にできるのか、その費用はどうするのか等、いろんな問題があります。家を建てるために接道している道路の幅を増やすことは非常に難しいでしょう。
道路幅は車の利便性にもかかわる
前面道路の幅は、道路の幅が車の出入りや駐車のしやすさに直結します。道路幅が狭く、車を駐車するスペースの間口も狭いと、小さな車しか止めることができない可能性があります。大きな車に乗り換えた場合、駐車が難しくなることがないよう、あらかじめ住宅の配置や外構計画で注意が必要です。
道路幅の調べ方
もし、自分自身で道路幅を知りたい場合は、各市町村の道路図で調べることができます。名古屋市の場合、市道や県道ですと、「名古屋市道路認定図」で幅員を調べることができます。
いかがでしょうか。道路幅によって、建築の許可申請が必要な場合や、そもそも建築できない場合もあることがあると分かると、不動産広告の「道路」「前面道路」で表示されている道路幅が、とても重要に見えてくるのではないでしょうか。土地情報を確認する際の参考にしてくださいね。